MT4 EAのニコニコマークとは ニコニコマークの意味と直し方

チャート右上のニコニコマークは、EAが動ける状態かどうかを教えてくれる合図です。ニコニコマークなら準備OK、への字の顔なら止まっているサイン、顔そのものが出ていなければそのチャートにEAが載っていない可能性が高いです。まずはこの意味を知っておくと、動かないときに慌てず原因を探せます。
ニコニコマークにする基本はとてもシンプルです。最初にEAをチャートへ載せます。次に画面上部の自動売買ボタンをオンにします。最後にEAの設定画面で「自動売買を許可」にチェックを入れます。ここまでそろえば、右上はニコニコマークになります。なお、ニコニコマークだからといってすぐに注文が出るわけではありません。EAの中にある条件がそろわなければ、ニコニコマークのまま静かに待機します。時間で制限している、スプレッドが広いときは見送る、指標前は止めるなどのルールが入っていると、顔は笑っていても取引は行いません。
ニコニコマークにならないときは、順番に原因をつぶしていきます。まず自動売買ボタンがオフになっていないかを確認します。ここがオフだと、すべてのEAが一斉に止まります。次に、そのEAの設定で「自動売買を許可」が外れていないかを見ます。ここが外れていると、そのEAだけが止まります。さらに、ツールのオプションの自動売買に「口座を切り替えたら止める」「チャートやプロファイルを切り替えたら止める」といった安全設定が入っていないかも確認します。これらがオンだと、ログインし直したりチャートを開き直しただけで、いつの間にか止まってしまいます。
それでもニコニコマークにならない場合は、画面下の「エキスパート」と「ジャーナル(動作の記録)」のタブを開き、メッセージを読みます。典型的なのは閲覧専用のログイン、いわゆる投資家パスワード(閲覧専用ログイン)で入っているケースです。この状態では発注ができません。回線が切れている、サーバーに接続できない、取引時間外、シンボルが取引停止中、といった状況でも注文は通りません。ログには理由が残ることが多いので、難しく考える前にここを必ず見ます。
顔が笑っているのに取引が動かないときも、落ち着いて点検します。まず、そのEAの条件が本当にそろっているかを疑います。時間帯の制限やスプレッドの上限、最大ポジション数の上限に引っかかっていないかを確認します。同じ通貨・同じ時間足のチャートに、複数のEAを無理に載せていないかも見直します。EAは「一つのチャートに一つ」が基本です。複数を動かすときはチャートを複製し、マジックナンバー(EAの注文を区別する番号)を必ず別々にします。番号がぶつかると、意図しないタイミングでポジションを閉じてしまうなどの混乱が起きます。
運用中にニコニコマークが突然消えることもあります。テンプレートやプロファイルを切り替えた、別の口座にログインした、チャートを開き直した、といった操作で、自動売買が自動的にオフになる設定が働くためです。切り替え作業のあとには、右上の顔、自動売買ボタン、EAの取引許可の三点をいつもセットで確認する習慣をつけると安心です。VPSやパソコンの負荷が高すぎると、チャートが重くなって反応が鈍ることもあります。動作がもたつくと感じたら、不要なチャートやインジケーターを閉じる、他のアプリを止めるなどで余裕を作ります。
動作確認のコツも覚えておくと便利です。ストラテジーテスターで短時間だけ回して、エキスパートのタブにEAのメッセージが流れるかを確かめると、少なくとも「EAが動いているかどうか」はすぐに判断できます。リアル口座へ移す前にこのひと手間を入れると、設定漏れによる空回りを減らせます。実運用では、顔がニコニコマークであることを出発点として、約定の遅れやスプレッドの広がりやすい時間帯など、日々のクセを少しずつメモしていくと、トラブル対応が早くなります。
以上のように、ニコニコマークはEAの体調を知らせるシンプルで頼れる指標です。ニコニコマークは準備OK、への字は停止、表示なしは未設定という意味を押さえ、困ったら自動売買ボタン、EAの取引許可、オプション設定、ログの順で確認すれば、多くの問題は自分で解決できます。顔のサインを合図に、落ち着いて点検し、安心して運用を続けていきましょう。